労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の改正

労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の改正についてのお知らせ

 

令和8年1月1日より、労務費の適切な転嫁を促すための「指針」が改正されるとともに、取引の適正化を強化する新法(中小受託取引適正化法)が施行されました。

これに伴い、公正取引委員会の監視の目はさらに厳しくなっており、発注者となる事業者には、受注者との取引や交渉においてこれまで以上に適正な行動が求められるようになります。

 

労務費とは?(価格交渉の対象となるもの)

 価格交渉における労務費には、間接人件費や福利厚生費も含まれます。

 

 

●今回の改正・新法施行で何が変わったのか?

 今回の改正では、以下の点が特に強化されました。

 ・「取適法(新法)」との連携

  発注者が受注者からの協議の申し出を無視したり、一方的に価格を据え置いたりする行為に対し、国がより直接的な是正指導を行える

  ようになりました。

 

 ・「実名公表」を伴うフォローアップ調査の強化

  労務費の転嫁を拒んでいる企業に対し、公正取引委員会が実名を公表するなどの厳しい措置を継続しています。

 

 ・具体的事例の追加

  「最低賃金が上がったから」という理由での交渉が、正当なものとしてより具体的に認められています。

 

●確認すべき事項

 指針の改正により、受注者には「自ら希望額を提示すること」が期待されています。

 

「自社独自の根拠」を持つ

  緻密な計算は不要です。「最低賃金の上昇分」や「公的な賃金統計(兵庫県版など)」を資料として準備してください。

 

 交渉のテーブルを求める

 「指針が改正されたので、一度お話しさせてください」と切り出すことが、不当な据え置きを防ぐ第一歩です。

 記録を徹底する交渉の経緯をメモに残してください。これが新法に基づく保護を受けるための「最大の武器」になります。

 

労務費転嫁の適正化に向けた「発注者」の取るべき行動

  1. 経営トップによる基本方針の策定と周知

  「パートナーシップ構築宣言」を最新の指針に即して改定し、経営トップの署名入り文書として全取引先へ一斉通知する。   

 

 2. 定期的な価格協議の仕組み化

  毎年特定の時期を「価格交渉集中月間」に設定し、全件を対象とした網羅的な協議を実施する。 

 

 3. 公的指標の積極的な活用と妥当性の検証

  自治体の最低賃金改定や、公表されている統計資料(公的指標)を基準として活用する。 

 

 4. サプライチェーン全体を俯瞰した価格転嫁

  二次・三次以降の取引先への転嫁状況を確認できる資料の提出を求める 。

 

 5. 協議要請に対する迅速な対応義務

  業務内容の変更(工数の増大、難易度の上昇)に伴う価格引き上げ要請があった場合、遅滞なく協議の場を設定する。 

 

 6. 交渉プロセスの標準化と簡素化

  労務費転嫁に関する専用の「協議用フォーマット」を策定し、あらかじめ全取引先に配布する。 

 

 

ダウンロード
労務費転嫁指針の概要.pdf
PDFファイル 2.0 MB